『ブレグジット EU離脱』は実話?国民投票とポンド急落
『ブレグジット EU離脱』は実話をもとにした英国のテレビ映画(2019年)で、2016年の国民投票で離脱派の運動を率いた選挙参謀ドミニク・カミングスを、ベネディクト・カンバーバッチが演じています。投票の結果が出た朝、ポンドがどれほど急落したのかも確かめます。
目次
どんな作品か
2019年1月7日に英国のチャンネル4で放送されたテレビ映画で、日本では同年3月31日にBS10スターチャンネルで放送されました。原題は『Brexit: The Uncivil War』。監督はトビー・ヘインズ、脚本はジェームズ・グレアムです。
主人公は、離脱派の運動「Vote Leave」を指揮した選挙参謀ドミニク・カミングス(ベネディクト・カンバーバッチ)。残留派の運動を率いたクレイグ・オリヴァー(ロリー・キニア)も登場します。
作品が描く国民投票
作品は、カミングスがどのようにして国民投票を戦ったのかを追います。経済への影響を数字で訴える残留派に対し、離脱派は「Take Back Control(支配を取り戻せ)」という短い言葉と、データを使って相手を絞り込んだネット広告で、有権者に働きかけていきます。
投票前の世論調査や市場の見方は、残留が優勢というものでした。作品が描く運動の結果は、市場にとって予想外のものになります。
実際の相場ではどう見えたか
国民投票は2016年6月23日に行われ、開票は日本時間の6月24日にかけて進みました。地域ごとに結果が発表されていくにつれ離脱派が優勢という見方に変わり、最終的に離脱が僅差で決まりました。
ポンドは記録的な急落となりました。影響はポンドだけにとどまらず、リスクを避ける動きから、円はほかの通貨に対しても買われました。下のチャートは、開票の途中でポンドの急落が始まった場面の豪ドル円の1分足です。
作品が描く運動の舞台裏
作品の中でカミングスは、カナダのデータ分析会社アグリゲートIQの共同創業者と手を組み、SNSの情報をもとに、選挙人名簿に載っていないものの離脱に傾いている有権者のデータベースを作ります。
離脱派の主張のなかには、EUへの拠出金を「週3億5,000万ポンド」とし、それを国民保健サービス(NHS)に回せると訴えたものがありました。作品では、運動の中心人物たちがこうした主張にためらいながらも、最後は押し切る姿が描かれます。
カミングスは、相手の土俵である「雇用と経済」には反論せず、自分たちの言葉「Take Back Control」に集中する作戦を取ります。作品はこれを、孫子の兵法になぞらえて描いています。
受賞と評価
第71回プライムタイム・エミー賞でテレビ映画作品賞に、2020年の英国アカデミー賞テレビ部門で単発ドラマ賞にノミネートされました。
作品とあわせて見るときのポイント
作品が描くのは投票までの運動で、結果が出た朝の市場は描かれません。チャートは、その続きにあたる場面です。
開票は一度に結果が出るのではなく、地域ごとに少しずつ進みました。1分足で見ると、ポンドが一気に落ちるのではなく、開票の進み具合に合わせて段階的に下げていく様子が分かります。
出典
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。