米雇用統計とは?発表時間はいつ?ドル円が大きく動く理由
米国の雇用統計は、景気の強さを示す月次の指標で、日本時間の21時30分か22時30分に発表されます。結果が市場予想から外れると、ドル円も株価指数も数十秒のうちに大きく振れることがあります。非農業部門雇用者数・失業率の読み方と、発表直後の値動きを紹介します。
- 発表時間
- 日本時間の21時30分(米国の夏時間の期間)か、22時30分(それ以外)です。
- 主に見る銘柄
- USDJPY(このサイトの10回分を集計)
- 過去最大の値幅
- 雇用統計(2026年2月)の1.80円(発表後30分)
目次
雇用統計はどんな指標か
米労働省が毎月発表する、雇用に関する統計です。相場がまず見るのは非農業部門雇用者数、いわゆるNFPで、農業以外の産業で前月から何人ぶん雇用が増えたかを示します。あわせて失業率と平均時給も公表されます。
発表は原則として毎月第1金曜日、日本時間では夏時間の期間が21時30分、それ以外が22時30分です。米国の主要な指標のなかでも参加者の注目度が高く、発表前は値動きが止まったように細くなる時間帯がよくあります。
同じ時刻にカナダの雇用統計が出る月が多く、米国の小売売上高と重なった回もあります(下の「発表後30分を数字で見る」)。ドル円を見るときは、どの数字が同時に出ていたかを確かめておくと、値動きの理由を取り違えにくくなります。
発表の30分ほど前から、値動きが極端に細くなることがあります。結果が分かるまで動きようがないため、いったん様子見になるからです。1分足で見ると、その静けさから発表の瞬間に一気に動き出す様子が分かります。
雇用統計の数字の読み方
相場がまず見る非農業部門雇用者数は、前の月からの増減で示されます。「+16.2万人」は16万2千人増という意味で、プラスなら雇用が増えた月、マイナスなら減った月です。
雇用が予想より増えていれば景気が強いと受け止められ、金融引き締めが意識されやすくなります。逆に予想を下回れば、利下げが近づくという見方につながります。ただし、この解釈は常に一方向ではありません。景気後退が心配されている局面では、強い数字が素直に好感されることもあります。
失業率と平均時給が同時に出るため、3つの数字が揃って強い(弱い)回と、方向がばらける回では、値動きの続き方が変わります。結果と予想の差を見比べてからチャートを開くと、その回がどちらだったのかがつかめます。
前回値が後から修正されることもよく起こります。今回の数字が予想どおりでも、前回分が大きく下方修正されていれば、全体としては弱い内容と受け止められます。数字ひとつでは決まらない、という点はこの指標に特有の難しさです。
雇用統計でなぜ為替・株価が動くのか
雇用は、中央銀行が金融政策を決めるときに見る二本柱のひとつです(もう一方は物価)。雇用が強ければ利上げ、弱ければ利下げという連想が働き、それが金利の予想を通じて為替に伝わります。
株式市場はもう少し複雑です。雇用が強いことは企業業績にとって良い材料である一方、金利が上がる材料でもあります。どちらが勝つかは、その時期に市場が何を心配しているかで変わります。同じ「強い雇用統計」でも株が上がる回と下がる回があるのは、このためです。
2つの調査と失業率
雇用統計は、2つの調査からできています。非農業部門雇用者数は、企業や役所に何人雇っているかを聞く調査(事業所調査)から、失業率は、家庭に仕事の有無を聞く調査(家計調査)から計算されます。
調べ方が違うので、2つの数字が逆の方向を示す月もあります。雇用者数は増えたのに失業率も上がった、という組み合わせは珍しくありません。どちらの調査の数字がより重く見られたかで、その回の反応が変わります。
失業率は「失業者÷労働力人口」で計算されます。労働力人口は、働いている人と、仕事を探している人の合計です。仕事を探す人が増えると、雇用が増えていても失業率が上がることがあります。
平均時給は、賃金の伸びを通じて物価の先行きを映す数字として見られます。雇用者数が強くても賃金の伸びが鈍ければ、物価への心配は小さいと受け止められることがあります。
雇用統計で動きやすい通貨ペア・銘柄
中心はドル円です。米国の金利予想の変化がもっとも素直に出る銘柄です。
NYダウやS&P500も同じ瞬間に動きます。為替と株が同じ方向に動いた回と、逆に動いた回があります。
雇用統計のチャートを見るときの注意点
発表の瞬間は、1分足のヒゲが上下どちらにも大きく伸びることがあります。最初の1本だけを見て方向を決めつけると、その後の展開と食い違うことがよくあります。
発表から30分ほどかけてどこに落ち着いたのかまで見ると、反応の向きがつかめます。5分足で見ると、細かい振れが1本にまとまって流れが見やすくなります。
値動きの大きさは回によってかなり違います。大きく動いた回と小さかった回を見比べると、この指標の振れ幅の範囲がつかめます。
雇用統計の発表後30分を数字で見る
このサイトにある雇用統計の10回分について、既定の銘柄(USDJPY)が発表から30分でどう動いたかを数えました。ページを開くたびに、その時点のデータで数え直しています。
- 発表後30分の値幅(高値と安値の差)は平均83銭。最も大きかったのは雇用統計(2026年2月)の1.80円です。
- 結果が市場予想を上回った5回のうち、USDJPYが30分後に発表直前より上がっていたのは3回です。
- 結果が市場予想を下回った5回のうち、USDJPYが30分後に発表直前より上がっていたのは1回です。
上がった・下がったは、発表直前の足の終値と、発表から30分後の終値を比べたものです。10回のうち7回は、ほかの指標(カナダ雇用統計・小売売上高・新規失業保険申請件数)と同じ時刻の発表で、その回の値動きには両方への反応が含まれます。回数が少ないうちは偶然の影響が大きく、今後の値動きを示すものではありません。
よくある質問
- 雇用統計とは?
- 米国の雇用統計は、景気の強さを示す月次の指標で、日本時間の21時30分か22時30分に発表されます。
- 雇用統計の発表時間は?
- 日本時間の21時30分(米国の夏時間の期間)か、22時30分(それ以外)です。
- 雇用統計で、過去に一番大きく動いた発表は?
- このサイトにある10回分のうち、発表後30分の値幅(USDJPY)が最も大きかったのは、雇用統計(2026年2月)の1.80円です。
出典
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。