クロス円とは?意味と計算方法、ドル円との違い
クロス円は、ドル以外の通貨と円の組み合わせの通貨ペア(ユーロ円・ポンド円・豪ドル円など)で、値はおおむね「その通貨の対ドルの値×ドル円」で決まります。そのため、円全体が動く為替介入の日には、クロス円もそろって動きます。値の決まり方と、何の材料で動いたかの見分け方をまとめました。
目次
クロス円とは
為替の取引の多くは米ドルを中心に行われています。ドルが入らない通貨どうしの組み合わせを「クロス」と呼び、そのうち円との組み合わせが「クロス円」です。ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、NZドル円、カナダドル円、スイスフラン円などがあります。
ドルが入らない組み合わせなので、ユーロ円をそのまま取引する人が少なくても、ユーロドルとドル円の取引から値が決まります。
値の決まり方
クロス円の値は、おおむね「その通貨の対ドルの値×ドル円」で決まります。ユーロ円なら、ユーロドル×ドル円です。ユーロドルが1.10、ドル円が150円なら、ユーロ円はおよそ165円になります。
この式から、クロス円が動く理由は2つに分けられます。ドル円が動いたか、相手の通貨の対ドルの値(ユーロドルなど)が動いたかです。ドル円が1%上がれば、ユーロドルが変わらなくても、ユーロ円もおよそ1%上がります。
反対に、ドル円が上がってユーロドルが同じだけ下がれば、ユーロ円はほとんど動きません。ドル円とユーロ円の動きがずれるのは、こうしたときです。
損益の計算と、取引のコスト
クロス円は円が入る通貨ペアなので、損益は円で出ます。値の読み方もドル円と同じで、1銭が1pips、1万通貨なら1円の動きで1万円の損益です。
ただし、通貨ペアの値段の水準は違います。ポンドドルが1.30、ドル円が150円なら、ポンド円はおよそ195円です。同じ1%の動きでも、195円のポンド円は1.95円、150円のドル円は1.5円動くので、同じ数量なら損益の振れ方はポンド円のほうが大きくなります。
クロス円は、2つの通貨ペアの取引から値が作られるぶん、ドル円より取引の量が少なく、買値と売値の差(スプレッド)も広めになることが多い通貨ペアです。取引の回数が多いほど、この差がコストとして積み重なります。
円全体が動くとき
政府・日銀が円を買う為替介入を行うと、円がすべての通貨に対して買われるので、ドル円もクロス円もそろって下げます。式で言えば、どのクロス円にも共通する「ドル円」の部分が動いた形です。
世界的に不安が高まって円が買われるリスクオフの場面でも、クロス円はそろって下げやすくなります。このときは、豪ドルなど値動きの大きい通貨の対ドルの値も同時に下げやすく、豪ドル円などはドル円より大きく下げることがあります。
見分け方
円の材料で動いたのか、相手の通貨の材料で動いたのかは、複数の通貨ペアを並べると分かります。ドル円・ユーロ円・ポンド円がそろって同じ方向に動いていれば円の材料、ポンド円だけが大きく動いていればポンドの材料です。
ブレグジットの国民投票の朝は、ポンドが売られたため、ポンド円の動きがほかのクロス円よりずっと大きくなりました。相手の通貨の材料で動く例です。
よくある質問
- クロス円とは?
- クロス円は、ドル以外の通貨と円の組み合わせの通貨ペア(ユーロ円・ポンド円・豪ドル円など)で、値はおおむね「その通貨の対ドルの値×ドル円」で決まります。