ユーロスイスフランとは?1.20の下限と撤廃の経緯
ユーロスイスフラン(EUR/CHF)は、ユーロとスイスフランの交換レートです。スイス国立銀行は2011年から3年以上、1ユーロ=1.20フランを下限として守り、2015年1月15日に予告なく撤廃しました。値の読み方と、下限が守られていた時期と撤廃の前後をまとめました。
目次
ユーロスイスフランはどんな通貨ペアか
ユーロスイスフランは「1ユーロが何スイスフランか」を表します。数字が小さくなるほどスイスフラン高です。円が入らない通貨ペアなので、日本の事情では動きません。
スイスはユーロ圏に囲まれ、ユーロ圏との貿易が多い国です。スイスフランがユーロに対して高くなりすぎると輸出に打撃になるため、スイス国立銀行はこの通貨ペアの動きを強く意識してきました。
値の読み方
ユーロスイスフランは小数点以下4桁目が1pips(0.0001フラン)です。1.2000から1.1950への動きは50pipsのフラン高です。
損益はまずスイスフランで出るので、円に直すにはスイスフラン円を掛けます。1万ユーロを取引していて50pips動けば、損益は0.0050×1万=50フランです。1フラン=170円なら、8,500円にあたります。
ふだんは値動きが小さく、1日の値幅が数十pipsにとどまる日も多い通貨ペアです。
1.20の下限と撤廃
スイス国立銀行は2011年9月、1ユーロ=1.20スイスフランを下限として、それよりフラン高にならないよう無制限に介入すると宣言しました。3年以上のあいだ、ユーロスイスフランは1.20の近くに張り付くことになります。
2015年1月15日、スイス国立銀行はこの方針を予告なく撤廃しました。このサイトの1分足では、ユーロスイスフランは撤廃の直前の1.2009フランから、1分足30本の間に1.0348フランまで下げています。途中には、値が付かず足が無い時間が約50分ありました。
下限の近くに張り付いていた値が、一度の決定で14%近く動いたことになります。
撤廃のあとのフラン高
下限を撤廃したあとも、スイス国立銀行はフラン高を抑えようとしてきました。撤廃と同じ2015年1月から2022年まで政策金利をマイナス0.75%などのマイナスにとどめ、必要に応じて為替介入も行っています。
それでもフラン高の流れは続き、マイナス金利の期間の平均は1ユーロ=1.09フランでした。撤廃の前の1.20と比べると、10%ほどのフラン高です。
ユーロスイスフランを動かす材料
スイス国立銀行とECBの金融政策の違いが、大きな材料です。スイスの物価の伸びはほかの先進国よりずっと低く、スイス国立銀行はフラン高への対応を常に意識しています。
ユーロ圏やスイスの外で起きた出来事で、不安が高まってスイスフランが買われることもあります。
ユーロスイスフランが大きく動いた回
このサイトの208本のシナリオについて、ユーロスイスフラン(EURCHF)が発表・発生の直後にどれだけ動いたかを数え、値幅の大きい順に並べました。ページを開くたびに、その時点のデータで数え直しています。
経済指標のなかで、ユーロスイスフランを平均でいちばん大きく動かしたのはスイス政策金利発表(3回の平均で0.35%、0.0033フラン)、次いで雇用統計(0.21%、0.0019フラン)、ISM製造業景況指数(0.14%、0.0013フラン)です。
値幅は、コアタイム(発表・発生の時刻)の直前の足の終値に対する、コアタイムから1分足30本の高値と安値の差です。ふつうは30分ですが、取引が止まっていた回はその分長くなります。割合は直前の終値に対するもので、年によって価格の水準が違っても比べられるようにしています。その出来事の直後に動いた回を並べたもので、その出来事が値動きの原因だったとは限りません(同じ時間帯のほかの材料で動いた回も含まれます)。経済指標の平均は、このサイトに3回以上ある指標だけを、割合の大きい順に比べています(金額は年によって価格の水準が違うため、順位は割合で決めています)。
よくある質問
- ユーロスイスフランとは?
- ユーロスイスフラン(EUR/CHF)は、ユーロとスイスフランの交換レートです。
- ユーロスイスフランが大きく動いたのはどんなとき?
- このサイトの208本のシナリオのうち、直後の値幅(直前の値に対する割合)が最も大きかったのはスイスフランショック(2015/01/15)で、0.1661フラン(13.83%)動きました。
出典
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。