WTI原油とは?原油価格が動く材料と物価・為替への影響
WTI原油は、米国で取引される原油の代表的な価格で、世界の原油価格の指標のひとつです。産油国の生産の方針や地政学上の緊張、景気の見通しで動き、物価や通貨にも影響します。物価や通貨への影響と、原油価格を動かす材料をまとめました。
目次
WTI原油はどんな銘柄か
WTIは、米国テキサス州などで産出される原油の銘柄で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で先物が取引されています。北海のブレントと並んで、世界の原油価格の代表的な指標です。
このサイトのWTIは、WTI原油に連動する銘柄の1分足で、1バレルあたりの米ドル建ての価格です。1バレルは約159リットルです。
物価と通貨への影響
原油の値段は、ガソリンや電気代、物の運送の費用を通じて、物価に広く響きます。原油が上がると物価の上昇率が高まりやすく、中央銀行の金利の判断にも影響します。
カナダドルのように、原油を多く産出する国の通貨は、原油価格と連動しやすいとされます。一方、原油の多くを輸入に頼る日本にとっては、原油高は輸入の支払いを増やす材料になります。
WTI原油が動きやすい時間帯
原油はほぼ一日中取引されていますが、米国の取引時間に動きやすくなります。米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計は毎週水曜日、日本時間の23時30分(米国の冬時間は24時30分)に発表され、原油の値動きの材料になります。
WTI原油を動かす材料
原油の価格は、産油国の生産の方針や、中東などの地政学上の緊張、世界の景気の見通しで動きます。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻のあと、3月上旬にはWTIが1バレル130.50ドルと、2008年7月以来の高値を付けました。
景気の見通しが大きく変わる出来事でも動きます。このサイトの1分足では、2016年11月9日、米大統領選の開票でトランプ氏の優勢が伝わった場面で、WTIは44.60ドルから1分足30本の間に43.30ドルまで下げました。
値の読み方と、歴史に残る値段
WTIの値段は1バレル(約159リットル)あたりのドルです。1バレル=80ドル、ドル円が150円なら、1リットルあたりは80×150÷159で約75円になります。ガソリンの店頭価格には、これに精製や輸送の費用、税金が加わります。
WTIの先物は、2008年7月11日に1バレル147.27ドルの最高値を付けました。反対に、2020年4月20日には、期限の迫った5月物の先物がマイナス37.63ドルで取引を終えています。原油の先物の値段がマイナスになったのは、これが初めてでした。
このときは、新型コロナウイルスの広がりで原油の需要が急に減り、貯蔵する場所も足りなくなっていました。期限までに原油を引き取れない買い手が、お金を払ってでも手放そうとしたためです。先物には受け渡しの期限があり、期限の近い取引ほどこうした事情の影響を受けることを示した出来事です。
WTI原油が大きく動いた回
このサイトの225本のシナリオについて、WTI原油(WTI)が発表・発生の直後にどれだけ動いたかを数え、値幅の大きい順に並べました。ページを開くたびに、その時点のデータで数え直しています。
経済指標のなかで、WTI原油を平均でいちばん大きく動かしたのはECB政策金利発表(6回の平均で1.61%、1.49ドル)、次いでカナダ雇用統計(1.15%、0.95ドル)、イギリス政策金利発表(1.11%、1.04ドル)です。
値幅は、コアタイム(発表・発生の時刻)の直前の足の終値に対する、コアタイムから1分足30本の高値と安値の差です。ふつうは30分ですが、取引が止まっていた回はその分長くなります。割合は直前の終値に対するもので、年によって価格の水準が違っても比べられるようにしています。その出来事の直後に動いた回を並べたもので、その出来事が値動きの原因だったとは限りません(同じ時間帯のほかの材料で動いた回も含まれます)。経済指標の平均は、このサイトに3回以上ある指標だけを、割合の大きい順に比べています(金額は年によって価格の水準が違うため、順位は割合で決めています)。
よくある質問
- WTI原油とは?
- WTI原油は、米国で取引される原油の代表的な価格で、世界の原油価格の指標のひとつです。
- WTI原油が大きく動いたのはどんなとき?
- このサイトの225本のシナリオのうち、直後の値幅(直前の値に対する割合)が最も大きかったのは新規失業保険申請件数(2026年4月2日)で、3.33ドル(3.03%)動きました。
出典
- EIA週間石油統計|大和証券
- 通商白書2022 第1節 ロシアのウクライナ侵略による世界経済への影響|経済産業省
- Crude oil prices briefly traded below $0 in spring 2020|EIA
- 2000s energy crisis|Wikipedia
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。