FRBとは?役割と議長、FOMCとの違いをわかりやすく
FRB(米連邦準備制度)は米国の中央銀行にあたる仕組みで、雇用の最大化と物価の安定という2つの目標を掲げ、年8回のFOMCで政策金利を決めます。米ドルは世界でもっとも多く取引される通貨なので、その決定は世界中の金利・為替・株価に響きます。組織の仕組みと決め方、政策金利の決定の記録をまとめました。
目次
FRBはどんな中央銀行か
米国の中央銀行は、ワシントンにある連邦準備制度理事会(FRB)と、全米12の地区にある連邦準備銀行からなる「連邦準備制度」です。1913年の連邦準備法で作られました。日本では、この仕組み全体をFRBと呼ぶことが多くあります。
連邦準備制度理事会は、大統領が指名し上院が承認する7人の理事で構成されます。議長と副議長も、この理事の中から選ばれます。
米ドルは世界でもっとも多く取引される通貨で、FRBの決定は米国だけでなく、世界の金利や為替、株価に影響します。
FRBの目標と手段
FRBは、雇用の最大化と物価の安定という2つの目標を持っています。2つの目標を同時に負う形は「デュアル・マンデート」と呼ばれます。物価については、個人消費の物価(PCEデフレーター)の上昇率2%を目安にしています。
主な手段は、銀行同士が資金をやり取りするときの金利(フェデラルファンド金利)の誘導目標です。目標は「3.50〜3.75%」のように0.25%の幅で示されます。この金利が、米国のあらゆる金利の出発点になります。
金利のほかに、国債などを買い入れて市場に資金を供給したり(量的緩和)、保有を減らして資金を吸収したり(量的引き締め)することもあります。
FRBのトップと意思決定
政策金利は、年8回、およそ6週間おきに開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)で決まります。投票するのは、7人の理事と、ニューヨーク連邦準備銀行の総裁、ほかの11行の総裁から1年ごとに交代で選ばれる4人の、合わせて12人です。
結果は米東部時間の午後2時に公表され、30分後から議長の記者会見が始まります。3月・6月・9月・12月の会合では、参加者それぞれの金利の見通しを点で示した図(ドットプロット)も公表され、先の金利の道筋を読む材料になります。
2026年5月22日、ケビン・ウォーシュ氏が議長に就任しました。
歴史に残る決定
1979年に議長に就いたポール・ボルカー氏は、高い物価の上昇を抑えるために金利を大きく引き上げました。フェデラルファンド金利は1980年代の初めに20%前後に達し、物価の上昇は収まった一方で、景気は大きく落ち込みました。物価の安定のためには景気の痛みも辞さない、という姿勢を示した出来事として語られます。
2008年12月16日、リーマンショックのあとの金融危機のなかで、FRBは政策金利の誘導目標を0〜0.25%に下げ、事実上のゼロ金利にしました。2020年3月には、新型コロナウイルスの広がりを受けて、3日に0.5%、15日に1%と、定例の会合を待たずに2度の緊急の利下げを行い、再び0〜0.25%にしています。
反対に、物価の上昇が強まった2022年6月には、0.75%の利上げを決めました。1994年以来の大きな上げ幅で、その年のうちにさらに3回、同じ幅の利上げを行っています。ゼロ金利から1年足らずで金利を大きく引き上げたことは、ドル高が進んだ大きな理由になりました。
FRBの決定が相場に与える影響
FRBの金利の見通しが変わると、ドルが大きく動きます。金利が上がる、または上がりそうだと受け止められればドル高に、下がりそうならドル安に振れやすくなります。
このサイトの1分足では、2026年9月17日のFOMCで政策金利が0.25%引き上げられたあと、ドル円は発表直前の154.99円から、30分後には155.51円まで上げていました。
金利は株価や金の価格にも影響します。発表の日に何が起きるかは、FOMCの解説記事で詳しく解説しています。
FRBの政策金利の決定
このサイトにある6回の決定のうち、引き上げは1回、引き下げは0回、据え置きは5回でした。どの回も市場予想どおりの決定でした。
- 2026/09/173.75-4.00%(3.50-3.75%から引き上げ)
- 2026/07/303.50-3.75%で据え置き
- 2026/06/183.50-3.75%で据え置き
- 2026/04/303.50-3.75%で据え置き
- 2026/03/193.50-3.75%で据え置き
- 2026/01/293.50-3.75%で据え置き
日付は日本時間の発表日です。日付を押すと、その回の発表の瞬間の値動きを1分足で見られます。
よくある質問
- FRB(米連邦準備制度)とは?
- FRB(米連邦準備制度)は米国の中央銀行にあたる仕組みで、雇用の最大化と物価の安定という2つの目標を掲げ、年8回のFOMCで政策金利を決めます。
- FRBの最近の政策金利の決定は?
- このサイトにある直近の決定は2026/09/17で、政策金利は3.75-4.00%(3.50-3.75%から引き上げ)でした。
出典
- Volcker's Announcement of Anti-Inflation Measures|Federal Reserve History
- The Great Recession and Its Aftermath|Federal Reserve History
- Fed hikes its benchmark interest rate by 0.75 percentage point, the biggest increase since 1994|CNBC
- FOMC statement(2008年12月16日)|FRB
- FOMC statement(2020年3月3日)|FRB
- FOMC statement(2020年3月15日)|FRB
- Federal Open Market Committee|Federal Reserve Board
- 米上院、ウォーシュ氏を次期FRB議長に承認|CNN.co.jp
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。