覆面介入とは?意味と見分け方、財務省の公表の仕組み
覆面介入は、政府・日銀が為替介入を行っても、その場では実施を公表しない介入です。実際に行われたかどうかと金額は、財務省が後から公表する実績(月ごとの合計はおおむね月末、日ごとの内訳は四半期ごと)で確かめられます。介入の仕組みと、公表を待たずに見分ける手がかりをまとめました。
目次
覆面介入とは
為替介入は、財務大臣の指示で日本銀行が実務を行い、市場で円を買ったり売ったりする操作です。実施したことをすぐに公表する場合と、公表しない場合があり、公表しないものが「覆面介入」と呼ばれます。
公表しないことで、市場に「いつ介入があるか分からない」と意識させ、一方的な円安の動きをけん制する効果を狙うとされます。
介入の仕組み
円安を止めるための介入(円買い介入)では、政府が持つ外貨準備のドルを売って円を買います。反対に円高を止めるための介入(円売り介入)では、円を売ってドルを買います。
介入は、市場で実際に売り買いをする点で、要人の発言による「口先介入」や、金融機関に相場の水準を問い合わせる「レートチェック」とは違います。レートチェックは介入の一歩手前と受け止められ、それだけで相場が動くこともあります。
実際の覆面介入
2022年10月21日の深夜、152円目前まで円安が進んだところで覆面介入が行われました。財務省の公表値では、その日の介入額は5兆6,202億円で、当時の1日の円買い介入として最大でした。
このサイトのドル円の1分足では、介入が始まったとみられる時刻の直前は151.17円で、41本のうちに147.99円まで下げています。公表が無くても、数分で数円という値動きが、介入を疑わせる手がかりになりました。
覆面介入の例
2022年10月21日の介入のあと、財務省の公表によれば、週明けの24日にも7,296億円の円買い介入が行われていました。この2日の介入は、どちらも実施の時点では公表されていません。
2024年には、4月29日に5兆9,185億円、5月1日に3兆8,700億円、7月11日に3兆1,678億円、12日に2兆3,670億円の円買い介入が行われています。これらも当日には実施が明らかにされず、のちの公表で金額と日付が分かりました。
円高を止める側でも、2011年10月31日の円売り介入に続いて、11月1日から4日にかけて公表されない介入が行われていました。覆面介入は、円安と円高のどちらの局面でも使われてきた方法です。
後から確かめる方法
財務省は「外国為替平衡操作の実施状況」として、介入の金額を公表しています。月ごとの合計はおおむね月末に、いつ・いくら介入したかの日ごとの内訳は四半期ごとに公表されます。
月ごとの合計が0円でなければ、その期間に介入があったことが分かります。どの日に行われたかは、四半期ごとの内訳を待って確かめます。覆面介入でも、この公表で実施の有無と金額が確かめられます。
公表の前に見分ける手がかり
公表を待たずに介入を疑う手がかりとしてよく挙げられるのは、材料の無い時間に数分で数円という急な値動き、要人の発言による警告が強まっていた時期であること、日銀が公表する当座預金の見通しと市場の予想とのずれ、などです。
ただし、どれも介入を確かめるものではありません。介入があったかどうかを確かめられるのは、財務省の公表だけです。
よくある質問
- 覆面介入とは?
- 覆面介入は、政府・日銀が為替介入を行っても、その場では実施を公表しない介入です。
出典
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。