為替介入とは?仕組みとドル円が急落する理由、過去の金額
為替介入は、政府・日銀が市場で通貨を売り買いして、行きすぎた為替の動きを止めようとする操作です。円買い介入では、ドル円が数分で数円下げることがあり、1日の金額は5兆円を超えたこともあります。仕組みと、なぜそこまで動くのか、過去の金額をまとめました。
目次
為替介入で何が起きているのか
為替介入は、財務大臣の指示で日本銀行が実務を行います。円安を止めるときは、政府が持つ外貨準備のドルを売って円を買い(円買い介入)、円高を止めるときは、円を売ってドルを買います(円売り介入)。
重要なのは、これが「相場の流れに逆らって、一度に大量の売買を持ち込む」行為だという点です。通常の値動きは多くの参加者の売買の積み重ねで決まりますが、介入のときは1つの主体が桁違いの規模で動きます。そのため、値動きの形が普段とはっきり違います。
実施したことをすぐ公表する場合と、公表しない場合があります。公表しないものは「覆面介入」と呼ばれ、市場は値動きから介入があったと推測することになります。実際に介入があったかどうかは、財務省が後から公表する実績で確かめられます。
為替介入で相場はどう動くのか
典型的な形は、ほぼ垂直に近い急落です。ドル円でいえば、数分のうちに1円から数円下げることがあります。1分足で見ると、実体の非常に長い陰線が突然現れる形になります。
その後の展開は回によって違います。下げたまま水準が変わる回もあれば、時間をかけて元の水準へ戻っていく回もあります。介入は流れそのものを変える力を持つとは限らない、と言われるのはこのためです。
介入が行われやすいのは、取引が薄い時間帯です。祝日、大型連休、日本時間の早朝など、参加者が少ない時間に実施されると、同じ金額でも値が動きやすくなります。
為替介入でなぜそこまで動くのか
市場の流動性、つまり「その瞬間にどれだけの注文が並んでいるか」には限りがあります。並んでいる注文を超える規模の売買が持ち込まれると、値は次の注文がある水準まで一気に飛びます。介入の急落は、この現象がまとめて起きたものです。
加えて、円安方向に持っていたポジションの損失確定の売買が連鎖します。急落をきっかけに損切りが誘発され、それがさらに値を動かす、という形です。介入そのものの金額以上に値が動くのは、この連鎖があるためです。
反応する銘柄
円買い介入では、ドル円だけでなくユーロ円やポンド円も同時に下げます。円がすべての通貨に対して買われるためです。
値動きの大きさは通貨ペアによって違います。取引が薄い通貨ペアほど大きく動く傾向があり、同じ介入でもポンド円のほうがドル円より値幅が大きい回があります。
過去の介入の金額
介入の金額は、財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」で後から公表されます。1日の円買い介入の金額は、2022年10月21日の5兆6,202億円、2024年4月29日の5兆9,185億円、2026年4月30日の6兆2,787億円と、記録が更新されてきました。
介入は1日で終わらないことが多く、数日のうちに続けて行われる傾向があります。2024年は4月29日と5月1日(米国時間。日本時間では5月2日の早朝)の2回で合わせて9兆7,885億円、7月11日と12日の2日間で5兆5,348億円。2026年は4月30日・5月4日・5月6日の3回で11兆7,348億円にのぼりました(どれも公表値の合計)。
反対向きの円売り介入では、2011年10月31日に1日で8兆722億円という記録があります。円の史上最高値(1ドル=75円32銭)を付けた日です。
為替介入のチャートを見るときの注意点
介入は発表があって起きるものではないため、何時に起きるかが事前に分かりません。値動きから介入が疑われても、確かめられるのは財務省の公表を待ってからです。
1分足で見ると、急落が何本の足にわたって起きたのかが分かります。1本で終わる回と、数本かけて下げる回があります。
複数の回を見比べるのが、この出来事のいちばん有益な見方です。同じ「介入」でも、下げ幅、その後の戻り方、時間帯がそれぞれ違います。
よくある質問
- 為替介入とは?
- 為替介入は、政府・日銀が市場で通貨を売り買いして、行きすぎた為替の動きを止めようとする操作です。