FXのロスカットとは?強制決済の仕組みと計算例
ロスカットは、含み損が膨らんで証拠金維持率が一定の水準を下回ったときに、FX会社が建玉を強制的に決済する仕組みです。ただし相場が一瞬で飛ぶと、決めた水準では決済されず、預けた資金を超える損失が出ることもあります。仕組みと、スイスフランショックで起きたことを解説します。
目次
ロスカットとは
ロスカットは、損失がそれ以上膨らまないように、FX会社が建玉を強制的に決済する仕組みです。証拠金維持率が決められた水準(FX会社によって違います)を下回ったときに行われます。
自分で損失を確定させる「損切り」とは違い、ロスカットは本人の判断を待たずに行われます。保有中の建玉は、ふつうすべてまとめて決済されます。
ロスカットまでの流れ
含み損が膨らむと、口座の資産が減り、証拠金維持率が下がっていきます。FX会社によっては、ロスカットの水準より手前で警告(マージンコールと呼ばれることがあります)を出し、入金や建玉の整理を促します。
それでも維持率が下がり続け、ロスカットの水準に達すると、建玉が自動で決済されます。決済のあとに口座に残るのは、そのときの資産です。
たとえば資産300万円でドル円10万通貨を150円で買い、ロスカットの水準が100%の口座なら、ドル円が125円まで下がったところで維持率が100%になり、決済されます。そのとき口座には約50万円が残る計算です。水準が50%の口座なら、決済されるのはさらに下がったところになり、残る資産はその分少なくなります。
相場が飛ぶと起きること
ロスカットは、決められた水準で決済されるとは限りません。相場が連続せずに一気に飛ぶと、その間の値段では取引が成り立たず、飛んだ先の値段で決済されます。
2015年1月15日、スイス国立銀行がユーロに対するフランの上限(1ユーロ=1.20フラン)を撤廃すると、フランは数分のうちに急騰しました。このサイトの1分足では、ユーロスイスフランは撤廃の直前に1.2009フランでしたが、18時30分の足で1.1704フランまで下げ、続く18時31分の足のあと約50分は足がありません。次の19時21分の足は1.0368フランから始まっています。
この間の値段では取引ができなかったため、損失を確定させる注文やロスカットは、ずっと下の値段で約定しました。預けた資金を超える損失を抱える投資家が相次ぎ、経営が行き詰まったFX会社もありました。
預けた資金を超える損失
ロスカットが間に合わずに口座の残高がマイナスになると、そのマイナス分(不足金)は、投資家がFX会社に支払う必要があります。ロスカットは損失を限る仕組みですが、損失が預けた資金の範囲に収まることまでは約束していません。
急変の場面で損失が膨らみやすいのは、レバレッジを高くして大きな金額を取引しているときです。同じ値動きでも、取引する金額が大きいほど、証拠金に対する損失は大きくなります。
値が飛びやすい場面
値が飛びやすいのは、中央銀行の予想外の決定や為替介入、週末をはさんだ市場の再開時など、注文が一方に偏る場面です。週明けの最初の値が金曜の終値から離れて始まることは「窓」と呼ばれます。
こうした場面では、ロスカットも逆指値注文も、決めた値段どおりには決済されないことがあります。ロスカットの水準だけでなく、値が飛んだときにどこまで損失が広がりうるかも、取引する数量を決めるときの目安になります。
よくある質問
- ロスカットとは?
- ロスカットは、含み損が膨らんで証拠金維持率が一定の水準を下回ったときに、FX会社が建玉を強制的に決済する仕組みです。
出典
「このサイトの1分足では」と書いた値は、このサイトのデータから読んだものです。