FXの勉強は何から?初心者が学ぶ順番と勉強方法の選び方
FXの勉強は、取引の仕組み、チャートの読み方、相場が動く理由、実際の値動きでの確認、の順に進めると、前に学んだことが次の土台になります。段階ごとに押さえたい用語と、本・動画・デモ取引など勉強方法ごとの違いをまとめました。
目次
FXの勉強は何から始めるか
FXの勉強は、取引の仕組みから始めるのが一般的です。チャートの読み方や相場の見通しの立て方に目が行きがちですが、値が1円動いたら自分の損益がいくら変わるのかが分からないままでは、チャートを読んでも、その値動きが自分にとってどれほどの意味を持つのか判断できません。
この記事では、勉強の順番を4つの段階に分けます。①取引の仕組み(お金の動き)、②チャートの読み方、③相場が動く理由、④実際の値動きで確かめる、です。前の段階で覚えた言葉が、次の段階の説明に出てくる順番になっています。
それぞれの段階で押さえたい用語には、このサイトの用語集の記事を添えています。1つずつ読み進めれば、そのまま勉強の順番になります。
1. 取引の仕組み(お金の動き)
最初に覚えたいのは、損益がどう決まるかです。為替の値動きはpips(ピップス)で数え、ドル円なら1pips=1銭です。損益は「動いた値幅×取引した数量」で決まり、ドル円を1万通貨取引していれば、1円(100pips)の値動きで損益は1万円変わります。
FXでは、預けたお金(証拠金)の何倍もの金額を取引できます。この倍率がレバレッジです。倍率が高いほど少ない証拠金で取引できますが、損益は取引した金額に対して生まれるので、同じ値動きでも証拠金に対する損益の割合は大きくなります。
含み損が膨らんで証拠金維持率が一定の水準を下回ると、ロスカットで強制的に決済されます。自分で決める損切りとの違いや、買値と売値の差であるスプレッドも、この段階で押さえておきたい言葉です。
2. チャートの読み方
チャートは、一定の時間の値動き(始値・高値・安値・終値)を1本にまとめたローソク足を並べたものです。まずはローソク足1本から、その時間に値がどう動いたかを読めるようにします。上下に伸びるヒゲは、一時的に付けたものの戻された値段を表します。
次に、1本の足がまとめる時間(時間足)を変えると、同じ相場でも見え方が変わることを知っておきます。1分足では大きく見える動きも、日足では1本のヒゲの中に収まることがあります。
移動平均線やボリンジャーバンドのようなインジケータは、ローソク足が読めるようになってからで十分です。どれも過去の値から計算した線なので、何を計算した線なのかを知ってから見ると、線が示すことと示さないことの区別がつきます。
3. 相場が動く理由
為替は、2つの国の通貨の交換比率です。金利の見通し、景気、リスクへの姿勢などが変わると、どちらの通貨が買われるかが変わり、値が動きます。まずは円高・円安の言葉の意味と、ドル以外の通貨と円の組み合わせ(クロス円)から押さえます。
大きく動くきっかけになりやすいのが、経済指標の発表と中央銀行の金融政策の決定です。相場は結果そのものよりも、事前の市場予想との差に反応すると言われます。予想どおりの結果がすでに値段に反映されていることを「織り込み」、予想から大きく外れることを「サプライズ」と呼びます。
発表の時間は、米国や欧州の夏時間で日本時間が1時間ずれます。いつ何が発表されるかを知っておくことも、この段階の勉強に含まれます。
4. 実際の値動きで確かめる
仕組みと言葉を覚えたら、実際の値動きで確かめます。経済指標の発表で、値が最初の1分にどれだけ動いたか、そのあと同じ方向に続いたのか戻ったのかを見ると、「市場予想との差に反応する」「発表の直後はスプレッドが広がる」といった説明が、具体的な値幅として分かります。
大きな値動きは、ふだんの値動きを見ているだけではなかなか出会えません。スイスフランショックや為替介入のような過去の急変を見返すと、損切りの逆指値が決めた値段で決済されないことや、上下に大きく振られる往復ビンタが、どんな速さで起きるのかが分かります。
このサイトでは、過去の経済指標の発表や相場の急変を、当時の1分足で見返せます。
勉強方法ごとの違い
本は、仕組みや用語を順番に、まとまった形で学ぶのに向いています。一方で、出版から時間がたつと、レバレッジの上限や税制など、制度に関わる部分が古くなっていることがあります。数字が出てくるところは、今の制度と照らし合わせて読むのが安心です。
動画は、チャートの動きや取引の流れを目で追えるのが利点です。ただ、話し手の取引のやり方や相場の見通しが中心のものも多く、仕組みの説明と、その人の考え方とを分けて受け取る必要があります。
デモ取引(仮想のお金での取引)は、注文の出し方や損益の動き方を、お金を失わずに試せます。今の相場で行うデモ取引は、大きな出来事が起きるのを待つ必要がありますが、過去の相場を使えば、経済指標の発表や急変の場面を何度でも見返せます。どの方法も一長一短なので、仕組みは本や記事で、値動きの感覚はチャートやデモ取引で、と組み合わせるのが一般的です。
勉強でつまずきやすいところ
よくあるのは、用語を覚えても損益の計算をしないまま進むことです。レバレッジやロスカットは、言葉の意味を知っているだけでなく、「この数量で1円動いたらいくらか」「証拠金維持率がいくつになるか」を自分で計算できて初めて役に立ちます。
インジケータを先に覚えるのも、つまずきやすい順番です。線の交わりだけを見ていると、経済指標の発表のような、線の計算に入っていない材料で値が大きく動く場面の説明がつきません。
相場の見通しを当てることが勉強の中心になってしまうのも、よくある形です。どの段階の勉強も、値動きを当てるためというより、動いたときに何が起きるかを知っておくためのものと考えると、学ぶ順番の意味が分かりやすくなります。